ハチにまつわる自然由来の食品や商品を紹介する、ハチめぐ編集部です。
妊娠中は体調や味覚の変化、お腹にいる子どもへの影響を考えて、食べ物選びには慎重になりますよね。
特にはちみつは「乳児に食べさせてはいけない」とご存じの方も多いので、妊娠中も食べてはいけないのではないかと思われる方が多いです。
結論からいえば、妊娠中の女性がはちみつ(蜂蜜)を食べても問題ありません。むしろ妊娠中の方にこそおすすめしたい食材なのです。
この記事では、妊娠中の方のはちみつの摂取について誤解を解き、妊婦にとってのはちみつの安全性やおすすめしたい理由をわかりやすく解説していきます。安心して妊娠期を過ごすために、ぜひ参考にしてください。
乳児がはちみつを食べてはいけない理由は?

・ボツリヌス菌が混入している可能性があるから
・乳児は腸内環境が整っておらず、ボツリヌス毒素が腸で増えてしまう
乳児にはちみつを食べさせてはいけない理由は、「ボツリヌス菌」という細菌が含まれている可能性があるからです。
ボツリヌス菌は土の中など自然界に広く存在し、通常は120℃以上で4分以上加熱すれば死滅します。はちみつだけに特有の菌ではありませんが、はちみつは製造販売の過程で加熱処理をしないため、ボツリヌス菌が残っていることがあります。
腸内環境が未熟な乳児の場合、ボツリヌス菌が腸内で増殖し、「ボツリヌス毒素」という毒を出します。この毒素によって便秘や元気の消失、ほ乳力の低下、泣き声の変化など様々な症状が現れ、最悪の場合は命を落とす危険があります。
国内で乳児のボツリヌス症が報告されたのは1999年以降16例あり、アメリカではなんと毎年100例以上の報告があるそうです。
そのため、厚生労働省も「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。」と注意喚起しています。
※厚生労働省「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。」
妊娠中にはちみつを食べても問題ない理由
大人がボツリヌス菌を口にしても、腸内の他の細菌に負けて増殖ができないため健康への影響はありません。
さらに、ボツリヌス菌やボツリヌス毒素は、分子が大きすぎて胎盤を通過できません。そのためお腹にいる胎児に影響を及ぼすこともないのです。

同じ理由で、授乳中のママがはちみつを食べても、母乳を通じて赤ちゃんにボツリヌス毒素が入ってしまうことはありません。
妊婦にうれしい!はちみつの3つの効果


1:エネルギー補給がしやすい
2:甘みが強く少量で満足しやすい
3:腸内環境を整えてくれる
1:エネルギー補給がしやすい
妊娠中は、普段より多くのエネルギーを必要とします。特に妊娠後期や疲れを感じやすい日には、すばやくエネルギー補給ができる食品が心強い存在です。
はちみつは、ブドウ糖や果糖などの単糖類が豊富に含まれており、消化・吸収が早く、効率的にエネルギーに変わってくれることが特徴です。体への負担が少なく、手軽に「エネルギーチャージ」ができるため、妊婦さんの間食や朝食のプラス一品としてもぴったりですよ。
2:甘みが強く少量で満足しやすい
さらに、はちみつは砂糖に比べて甘みが強いため、少量でも満足感を得やすいのもおすすめできるポイントです。食べすぎを防ぎながら、適度にエネルギー補給ができるのは嬉しいですよね。
お湯やハーブティーに加える、ヨーグルトにかけるなど、無理のない範囲で日常に取り入れるのがおすすめです。ただし、カロリーはあるため過剰摂取には注意が必要で、1日に小さじ1〜2杯を目安としてください。
3:腸内環境を整えてくれる
はちみつに含まれるオリゴ糖やグルコン酸は腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境の改善にも役立ってくれます。特に便秘気味な方にはおすすめできる食材です。
妊娠中にはちみつを摂る際の注意点


妊娠中にはちみつを取り入れる際は、摂取量や衛生面に配慮が必要です。
はちみつは自然な甘味料ですが、糖分を多く含むため、摂りすぎるとカロリーオーバーや血糖値の急上昇につながります。大体ティースプーン1〜2杯程度を目安にしてください。
また、妊娠糖尿病と診断されている方や、糖質制限の指導を受けている方は、自己判断での摂取を避けて必ず医師や管理栄養士に相談を仰いでください。
衛生面にも注意が必要で、開封後のはちみつはなるべく清潔なスプーンを使いましょう。とくに唾液が容器内に入ると腐りやすい原因にもなります。
はちみつを日常の甘味料として安心して食べるには、「適量」「適切な管理」を心がけてくださいね。


妊婦さんにやさしいはちみつの選び方
妊婦さんがはちみつを選ぶ際は、できるだけ純粋で添加物のない「純粋はちみつ」をを選ぶのがおすすめです。加工品や加糖されたはちみつは、不要な糖分や添加物が含まれていることがあるからです。なるべく自然のままの品質にこだわった商品を選んでください。
またこだわる方は、国産はちみつや養蜂方法や残留農薬検査をクリアしているはちみつを選ぶと安心感が高まります。自分の体調や好みに合わせて、無理のない範囲で試してみてください。
妊娠中にはちみつをおいしく食べるアイデア


・はちみつの自然な甘みを楽しむ
・気分転換・リフレッシュする
・朝食や軽食に
・夜のリラックスタイムに
はちみつの自然な甘みを楽しむ
例えばホットミルクにティースプーン1杯溶かすと、はちみつ本来の自然な甘みを楽しむことができます。
気分転換・リフレッシュする
レモンとはちみつを炭酸水に加えたドリンクがおすすめです。さっぱりとした味わいで、気分転換にもぴったりの一杯になります。無糖の炭酸水を使えば、糖分を抑えつつ自然な甘味も楽しめます。
朝食や軽食に
また、朝食や軽食には、ヨーグルトやカットフルーツに少量のはちみつをかけると、ナチュラルな甘さが加わり満足感がアップします。プレーンヨーグルトとの相性も良いです。
夜のリラックスタイムに
夜のリラックスタイムには、温かいミルクやハーブティーにはちみつを少量加えるのもおすすめです。カモミールティーやルイボスティーなど、カフェインレスの飲み物と組み合わせると、心身ともにやさしい時間を過ごせます。
まとめ
この記事の要点
・妊婦さんがはちみつを食べても問題ない。胎児に影響もない
・妊婦のエネルギー補給や腸内環境の改善におすすめ
・乳児にはボツリヌス菌のリスクがあるため、1歳未満にはNG
はちみつは妊婦さんにとって手軽なエネルギー補給源としておすすめの食材です。ブドウ糖や果糖が豊富で、すばやく体のエネルギーに年間されます。また、甘みが強いため少量でも満足しやすく、食べすぎを防げるのも嬉しいポイントです。
妊婦さんにはおすすめな食材である一方で、1歳未満の乳児にはボツリヌス菌のリスクがあるため絶対に与えてはいけません。妊婦さんや授乳中の方が食べても胎児や赤ちゃんに影響はないので安心してください。
はちみつを選ぶ際は、添加物のない純粋はちみつや国産のものを選ぶとより安心です。1日ティースプーン1〜2杯を目安に、無理なく取り入れましょう。